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 一月二十日から二月十八日生まれの水瓶座のアナタは恋も仕事もお金も最狂運!
 まったくありえない事にどう転がってもイイ事しか起こらないので宝くじでも買ってみろ!
 あんまりモテモテちゃんだからって三股四股に挑戦、なんてのはダメダメなんだぞコノヤロウ♪

「……まぁなんだ、こんなモンだろうってのは分かってんだけど……あ~ぁ」
 七月二十日、
 夏休み初日の朝、エアコンが二日前に夜お亡くなりになって以来このクソみたいな真夏に扇風機で凌いでいる上条当麻は
 冷蔵庫から昨日作っておいたサラダを取り出しドレッシングをかけたら蓋の取り付けが悪かったのか中の液体が蓋と一緒に勢いよくサラダにまき散らされ
 もはやそれはサラダではなく紫蘇ドレッシングスープと化したそれを流しでドレッシングだけ流そうと台所に移動したら
 椅子の足に小指をピンポイントで派手にぶつけ「グギャーーー!」という悲鳴と共にサラダ片手に飛び跳ねていたら
 テーブルに置いてあった財布が飛び跳ねた振動で床に落ち、ちょうどそれを上条が踏みつけるとパキッと乾いた音が鳴り響き
 さっきまで小指をぶつけていた上条から血の気が引いていき、冷静になって紫蘇スープをテーブルに置いて財布の中身を確認すると
 生活の源であるキャッシュカードが奇麗に真中から真っ二つに割れており、
 この怒りどうしてくれようと近くにあった冷蔵庫を殴って八つ当たりをするとゴウゥゥ…………と最後の叫びをあげて冷蔵庫がお亡くなりになった。

 テレビから流れる大衆に向けた占いを眺めながら、もうどうでもいいやと紫蘇スープの具を食べる少年の光景はシュールそのもので
 水瓶座である彼はこの現状にもはや笑いすら起こらずモシャモシャと紫蘇スープを食べ続ける。

「紫蘇の味しかしねぇよ……あ~ぁそんな占い当たるわけねぇだろおがバーカ」とテレビに向かって独り言をいう、そうでもしないとやってられないのだ。

 具を全て食べ終えて流しへスープを流す。
 一人暮らしの、誰も邪魔の入らない睡眠を今日の朝携帯電話によってたたき起こされた
「上条ちゃーん、バカだから補習ですー♪ちゃんと遅れずに来るんですよ♪」と担任からの連絡網(ラブコール)に気分は爽快(さいてい)。
「まぁ、一学期丸々四ヶ月のサボリが一週間で帳消しだから安いもんか…さてと」っと上条は着ていた服を脱いで夏服に着替える。
「天気いいし、布団でも干しとくか」などと独り言をいう、
 歩く死亡フラグと言われる少年の性質上、今の一言は雨が降るのでは?と自分自身よく分かってはいるが、
 降ったら降ったで一日フローリングで寝るだけだとあくまでアクティブな思考で布団を抱えてベランへと出る
 少年の部屋は七階、そこから二メートルもしない先に隣のビル壁が迫っていた。
「空はいつも同じなのに、なんで人の運命(さだめ)はこうも別れ酷いくらいなのだろう♪」
 鬱だ、誰かロープを貸してくれ。人の目のないところでおとなしく身長伸ばしておくから。
 そんな事を考えていると、すでにベランダには白い布団が干してあるのが見えた。

 ―――――――――――――――――

「インデックスねぇ~。そんなのどう考えても偽名だろ!なんだよ『目次』って。」

 テーブルを挟んだ目の前で勢いよく冷蔵庫の中に備蓄してあった色々な食材がギャグで片づけていい程の速度で目の前から消えてゆく光景を眺めながら
 上条当麻は頭を掻きむしりながら外に干されていた……もとい純白の修道服を着たインデックスと名乗る少女に呆れたように呟いた。

「っつか、外人なのに日本語ペラペラだし。お前っていったい何者なんですかコノヤローと上条さんは定期的に糖分を取らないとイライラする銀さんって人のモノマネしながら尋ねてみますよコノヤロー。」
「見ての通り教会の者です――――」そう言いながらも食べる事と喋る事、どちらも譲らないインデックスは話を続ける。
「――――あ、ここ重要。私はバチカンの方ではなくてイギリス清教の方だよ。」
「なに意味分かんない事言ってるんですかコノヤロー、それにこっちの質問半分答えてないんですけど。」
「あ、魔法名ならDedicatus545だね」
「お~い、もしもし?キャッチしちゃった?電波キャッチしちゃったんですか?サイケデリックス星人と交信中ですか?」
「ごめんなさい、さっきから何言ってるのかさっぱりわからない、日本語でOK?」

「………」

 ちゃんと喋るか……。
 冷蔵庫が壊れてしまって処理に困っていた食材の山を、どうせ冷蔵庫の中に置いていても傷んでダメになるので食えるものなら食ってみろといった感じに大皿に山盛りにしていた野菜炒めをすっかり食べきってしまったインデックスと向き合う。

「でだ、どうして俺ん所のベランダに干されてた訳?」
「屋上伝いに飛び移ろうとしたんだけど――――。」
「フリーランニングですかコノヤ……え?」脊髄反射でツッコミを入れた上条だったがおかしな部分に気づき言葉が止まる。
「屋上を飛び移るったって……なんでそんなまねを……。」

 このオンボロ寮は八階立てであるのだ、そうホイホイと簡単に塀を越える様なモノじゃない。落ちたら確実に死ぬ高さなのだ。

「あの時はああするしか、ほかに逃げ道がなかったから。」
 逃げ道がなかった?どういう事だと上条の表情は固まり思考はフルスロットルで回転しだす。

「私、追われているの。」

「……………は?」
「飛び移る途中で背中を撃たれてベランダに引っかかっちゃったみたい」
 そんな非常識な事を少女は何事もないようにただ笑ってそんな事を言う。

「撃たれたって……」
「ああ、傷のことなら心配ないよ?この服『防御結界』の役割もあるから」そういいながら少女はくるりと回ってみせる、
 撃たれたとは言うが怪我人の様には見えない。

「ちょ、ちょっと待て。撃たれる前に…何?何に追われてるって?」
  少年の頭ではこの非常識な出来事を未だ理解しきれていない、無理もないであろう
 ベランダに人が干されていて且つ背中を撃たれたなど一般人の会話ではないのだ、それを知ってか知らずか少女は言葉を続ける。

「ん~~。そうだねぇ、何だろ?薔薇十字か黄金夜明?あの手の集団だとは思うんだけど、
 名前まではわからない。連中って名前に意味を見出すような人たちじゃないからね」
「連中?」
  正直、
 目の前のインデックスが言う薔薇十字とか黄金夜明とかという専門用語はどっかで見た事はあったが正直忘れた。
 だがそれらが集団で彼女を追っているという事だけはわかった。

「うん、魔術結社だよ」
「…………………………」

 ……わかったのだが、

 インデックスの放った一言で今までのシリアスな雰囲気が一気にぶち壊れる。
「はぁ?マジュツ?……マジュツって魔術?はぁ!?なんじゃそりゃ!!マジパネェ!!ありえねぇって!!」
「はぇ?アレ?日本語おかしかったかな?マジックだよ?マジックキャバル」

「………………………………フッ」少年の顔から物凄い勢いで真剣さが薄れていく。
「……そこはかとなく馬鹿にしてるね?」
「……フヒヒ、サーモン。」
「……そこはかとなく馬鹿にしてるよね?」
「あー、すまん。無理だ。無理無理。魔術は無理だ。パイロキネシスは有りだがファイヤーボールは無理だ、
 レールガンは有りだがサンダーボルトは無理だ、『異能の力』は知っているが魔術は無理だ。」
「……?」正直なところ、彼女にはここ(学園都市)の常識は分からない。
 パイロキネシスやテレキネスといった用語を並べられても頭のうえにはてながつくだけである。

「でも………魔術はあるもん」
「まぁ、あるとして」
「魔術はあるもん!!」
「はい、じゃあ魔術が有ると仮定して、」
「仮定?」
「あるとして!」上条は半ギレのインデックスを強引に無視して続ける。

「なんでお前はそんな連中に狙われてるんだよ?」
「それは…私が、禁書目録だから」

「……は?」

「私の持ってる、一〇万三〇〇〇冊の魔道書。きっと、それが連中の狙いだと思う」
「………………………………………………」傍から見て上条が真っ白くなっていくのは幻覚ではないだろう。

「なーんで人が説明していくたびにやる気が失せていくの?」
「で、ちなみにどんなモンがあるんだよ」
「エイボンの書、ソロモンの小さな鍵、ネームレス、食人祭祀書、死者の書。死霊術書は有名すぎるから亜流、偽書が多くてアテにならないかも」
「いや、本の中身はどうでもいいんだ」

 ほぅ、意外と有名どころを出すじゃないかと少年は心の中で呟く。
 少年の右手。
 少年を悩ませ続けている右手。
 こいつの正体がわからない。
 多分、生まれつき身に付いて付いた右手の不思議。
 こいつにゃナンにも通じない。
 レベル五のレールガンだろうがレベル五の災害だろうがレベル五以上の何であろうとこの右手の前には何てことなく姿を消す。
 つまり、この見かけはなんの変哲のない右手。『異能の力』と名のつくものは全て打ち消してしまう。
 この学園都市にきて間もなくして計測機器が少年にくだした評価は『レベル零』
 まったくもって、
 この、外と一〇年は軽く先を行く科学の結晶『学園都市』が弾き出した上条当麻への評価は『レベル〇』
 つまり、『測定不能』だったのだ。

 そこで答えを得られなかった少年は悩んだ。
 だから、すこし夢見がちだとは分かってはいたが少年はパソコンの電源を入れネットの海へと繰り出した。
 検索欄にオカルトの言葉が当分モニターから消えることはなかった。
 とはいっても、それも気づけば右手の事を調べることをやめてはいたが……。

 生半可に知識があるから、余計にそのカビ臭い物(オカルト)が嫌になる。
 単純に言えば、超能力は有ると世間に証明されている。簡単な話、魔術なんてモンが世間に有ると証明されていない。
 ただそれにつきる。

「っで、その一〇万冊ってなどこにあるんだ?どっかの倉庫のカギでも持ってるのか?」
 しかし、疑問も残る。
 なんたってこんな少女が?という事だ。
「ううん、ちゃんと一冊残らず持ってきているよ?」
「……お前、バカには見えない本ですよ~とか言うんじゃねぇだろうなぁ?」
「バカじゃなっくても見れないよ。勝手に見られると意味がないもの」
「って事は何か?おまえッ―――――――――」
「ん?何?」
「いや、何でもない。」

 一〇万三〇〇〇冊全部暗記したんですかコノヤローと言ってやりたかったが、
 よく考えてみたらそんな事出来るのはある種の特殊能力者でもないと無理な話である。
 暗記術とかはどちらかというと科学(コチラ)側の分野である。
 見た感じ、コチラ側のことが疎そうである。テーブルに置かれた俺のケータイを興味津津で眺めてたりするし。

「でも変なの。超能力は信じるのに、魔術は信じないなんて――――」
「見たことねぇモンな」一蹴する上条にむすっと、インデックスはカチンときたようで
「超能力ってそんなに素晴らしいものなの?ちょっとだけ人と違う力を持ってるからって」
「人を小馬鹿にするなって言いたいんだろ?うん、それあってるよ。
 そんな一発芸持ってるだけで人の上に立っていいなんて事はないもんな。そんな考え自体間違ってる」

 インデックスはすんなり自分の意見を肯定する少年に怒りがしぼんでしまう。
「まあ、なんていうかこの街に住んでる人間ってさ、能力持ってる事が一つのパーソナリティーだったりするわけよ。
 そこんとこ大目に見て欲しいな。ってなこと言ってる俺自身も能力者の一人だけどな。」
「あっそうだった。君って何が出来るの。」
 何かやってくれと言わんばかりに目が輝いてやがりますですことよインデックスさん。
「あー、えっとだな、俺の右手なんだがな。ちなみに俺のは学園都市で身につけたんじゃなくて生まれた時からなんだけどさ」
 うん、とうなずいて少女は少年の話の続きを促す。

「この右手で触れるとだな……それが『異能の力』なら、原爆級から戦略級、神のシステムですら打ち消せます。はい」
「……………………………フッ」
「なに全身白くなってんだよ!!信じてねぇなテメェ!!」
「フヒヒ、サーモン」
「……そこはかとなく馬鹿にしてるよね?って言わせたいんですかコノヤロー!!」
「だって~、神様の名前も知らない人に~~、『神様の奇跡だって打ち消せます。はい』とか言われてもねぇ~~」
「ハイハイワロスワロスそんな事聞き流せるね軽く。だってお前まだ魔術が有るって証明してねぇモン。
 ほれ、魔道書持ってんだろ、それで火の玉でもなんでも出してみろソイツを俺の右手で打ち消しちまえばイイだけだからな、
 なんか出してみろよ七鍵守護神(ハーロウィン)あたりとか」
「……魔力が無いから、私には使えないの」
「でったっよ!!」少年はカメラが回っていて集中できないのでスプーンがまげれませ~んとぼやく自称魔術師を見たかのごとく反応を示す。
「想定範囲内の返答だなおいこの電波なハロウィン野郎!!今の一言で魔術なんてないって証明したようなもんだろ常識的に考えて」

 その言葉にカチンと来たのか目の前のインデックスさんはガバっと立ち上がって
「これっ!この服!これは『歩く協会』っていう極上の防御結界なんだk」少女が全てを言い終える前に上条は右手でインデックスの肩を鷲掴みする。
「歩く協会(コレ)が本物なら俺の右手がこの服を木端微塵にするわけだッ――――」
「君のチカラが本物ならね」
「…………………………………………………………」
「どうしたの?何も起こらないじゃないふっふーん」

 ストン、そんな音が鳴った。

 両手を腰に当てて胸を張ったまま凍りつく少女だった。
 

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自己紹介:
超弩マイペース。
自分のペースを乱されると拗ねて
寝ます。
血液ゲノムで天然B型と発覚
「こ、こいつ…先の行動が読めねぇ(汗)」だそうです
血液ゲノムとか信用すんな。
血液型占いとか信用すんな。
人を信用すんな