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「あっやべ、結局キャッシュカード再発行しないと今日の夕飯抜きじゃねぇか………。」
 学生寮の前まで来て、今更ながら今日の最低限必要事項に気付いたアホ上。
 もう、太陽は地平線に半分浸かっている状態である。
 再発行の受付は終了している。

 朝に冷蔵庫がお亡くなりになったの忘れてた。っつか食材すらねぇよ。
 あ~~~~もう、しかたねぇか!
『あの』ビリビリ相手にしてたんだ、レベル5だぞ?レベル5。
 誰だってそんな事、思い出す暇なんてあるわけねぇじゃん!
 俺はよくやった!よくやったよー俺、
 レベル5とはいえ女の子と喧嘩(殴り合い)することも避けられたし、
 誰かを泣かせる事はしていないし!
 泣きたい人間が一人居るけどな此処に(笑)アッハッハッハァ~~ア……………
 自虐ネタはいいやもう、ん?

 学生寮の一階、階段とエレベーターの前にある管理人室という名の物置部屋のほうへ差し掛かると、
 そこに管理人室のドアを背に寄り掛かりながら
 赤いソフトボールの様な物でお手玉しているタマキの姿があった。
 しかし、お手玉というには手からわざと零したボールを足の甲にそっと乗せたりしており、
 お手玉とサッカーのリフティングが混ざった様な曲芸を淡々とこなしていた。

 技術の程は分からない、よく人の集まるような場所で帽子を置き、
 同じようなことをやっている人達を目にするが、
 技から技への切り返しがスムーズにヌルヌルと、ボールがあるべき所に、
 手や足、頭や肘、膝で弾いて反対側の手の甲から坂を下るようにして
 向こうの手の甲に到達しようとしたときに手首のスナップでまた弾いて
 お手玉しているところを見ると、
 街頭で頑張っている彼らには悪いがと、見とれてしまっていた上条であった。

「ん?金くれんのか?」と、片手でお手玉をしながら、
 もう片方で袋を広げそのまま一つ一つ放り込み終わった時に
 タマキが口を開いた。
「…えっ?あっ、いや。ごめんな、今文無しなんだ」
「別にいいよ、暇つぶしにやってただけだから」何がおかしかったのか、言葉の抑揚に少し笑いがある。……俺なにか変なこと言ったか?まぁいいや。
「さいですか。………………あの~タマキさん?出来ればで良いんですが、余っている食材などがありましたら、
 もし宜しければこの上条当麻に今日の夜を凌げるくらいの量を分けて頂きたいのですが」

「元春にでも頼め」

 間髪ねぇなコイツ……、まっ無理もねぇよな、ダチって訳でもねぇし。それに俺だって順当でいきゃあ確かに土御門辺りに
『食いもんくれぇ、というかよこせ。なに~?お主、我を誰だと思っておるのだ!あの上条当麻ぞ!
はい嘘ですごめんなさいキャッシュカード再発行しようと思ったら中学生に難癖つけられて逃げ回っちゃって気付いたらカードのこと忘れて帰宅した
 この超絶貧乏学生の上条当麻とかいう人に白米をいや玄米でもいいです
 ソレが駄目なら鰹節だけでもいいんで恵んでくだせぇえええお代官さまぁ嗚呼嗚呼嗚呼!!!!どうか!!どおおかこの通り!!!!!!!』

 ゴンゴンゴン!っと土下座をしながら地面に頭を打ち付ける様を想像し死にたくなった上条であった。

「そうしたいんだけど、アイツ補修が終わるなり青髪とゲーセン行ったみたいだから、多分今日は遅くまで帰ってきそうにないんだ。」
「………そうだな、なんか今日はアパートの住人の殆どがどっか出かけてるみたいだしな」

 ふぅーん………………ん?

「お前いつから此処にいんの?」
「一時間半」
「誰か待ってんのか?」
「そうだな、誰かを待ってるな。」
「そ、そうか。」

 ……………やっぱりコイツ、変人?

「それよりお前さんって、何か食いもんにアレルギーとか嫌いなものとかあるか?」
「は?……別にアレルギーとかねぇし好き嫌いもねぇけど。なんで?」
 ソレを聞くと、ドアに寄り掛かっていた体を起こし、伸びをしたり首や手を鳴らし一通りスッキリしたご様子。
「どっか食いに行くか」
「え?マジで?」
「マジで」

 ……メシアだ。メシアがおる。パンドラの箱並みに一粒の希望というか救いが今ここに、………生きててよかった。

「何泣いてんだ?んで、飯屋はどこがいい?」
「どこでもいいです。というかマジで?」
「くどいな。部屋行って支度して来い、どうせ三十分位かかるだろ?」
「わかった!すぐ支度してくるから」
 といって階段を小走りに走っていこうとするが途中で足を止めタマキのほうへ振り向く

「そういえば、誰か待ってるんじゃなかったのかよ?」
「……なんか全部のイベント回収すんの面倒臭くなってきたからいい、俺は含まれてなかったし」
「そうか、んじゃちょっと待っててくれ」

 うん!何言ってるかさっぱり電波でわかりません先生!イベント回収ってゲームですかタマキさん、
 こっちはそんな事より飯にありつけるという嬉しさだけで頭がいっぱいなんでチャッチャと支度をすませてこよーっと!

「あー上条」自室へ向かおうとしていた天然ハリネズミを呼び止める。
「なんでせうか?」

「お前さん火ぃ持ってるか?」

「火?」
 頭の上にハテナが付いている上条にタマキは仮面を被ってはいるが、口の位置近くでライターを付けるゼスチャーをする。
「タ、タマキさんってタバコをお吸いになられ――――」
「吸わねぇよ、ただそういったもの持ってねぇかなぁと思って」
「使わないものは持ち歩きませんけど」
「だよな。んじゃ此処で待っとくぞ」
 そう告げると踊り場近くにいたツンツン頭はわかったとだけ告げて軽い足取りで階段を駆け上がっていった。

 あそこまで喜ぶことに全力なのは彼の日常を聞いていると判る気もする。
 悪い気はしない、でもこういう事をする自分が、偽善者なのではないか?
 と思ってしまい嫌になる部分がいつも心の片隅に滲み出てきてしまうタマキであったが、すぐに頭を切り替える事で考えないようにした。

 放火犯は上条ではない……か。
 まっ、火事になるとだけだったし、今回は不審火がもとではないのかもしれない。
 自分も見回った訳ではなくずっと此処で暇を潰していたし、この寮の入り口は、中央の此処と両サイドにも階段があるわけだから、
 ここから降りてくる学生を一人も見ていないのも、まぁあるにはあるわけだ。

 それにぶっちゃけた話、火事が起こっても俺は痛手を負わない。全ての荷物をコンテナに一時的に非難させてきたからな。
 吹野が言ったことだから必ず起こるけど、今回は『見送り』しよう、時間までの指定は無かったしな。
 人が起こすにしても配線からの火事だったにせよ、これ以上、ここでボケーっと突っ立っているのもメンドクサイからな。
 ということは、天然スパイキー頭と飯食いに行って寮に戻ってきた時ぐらいに起こるのだろう。
 こういう、身に起こる危険は必ず忠告のように言ってくれるから吹野には感謝している。

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 誰も居ない、耳鳴りがしそうなほどに静寂な廊下の上でタマキの体から嫌な汗が薄っすらと滲み出てきた。


 車の事を聞いてない。










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まずは、5センチメートル位になれるよう頑張りたいです…更新が。

確か上条軸
二話目のコメント欄に、ここにあげていないプロローグ部分のURLを貼った覚えがあります。
やってる行動は原作とほぼ同じなので……読まなくてもこれと言って話に支障が出るものではないですので。よければ、程度に報告をば


それと、
車云々はウスイ奴の軸で何となく分かるようにした、つもり?です。
と言っても、ウスイ奴の幼少期を語ってるだけですが…。
全然話数無いですが…。こっちも、ひとまずスティール戦片づけないと手が付けられない……。

「………。」

ホントを言うなら
秒速約30万キロメートル位の更新速度が欲しいぜよ!
おおそういえば。車の忠告なかった。
それが何を意味するか解らんけど。
それはともかくここでとぎれてるな。
しょうがない上条編を見るか。
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非公開
趣味:
コレといって固定はないです
自己紹介:
超弩マイペース。
自分のペースを乱されると拗ねて
寝ます。
血液ゲノムで天然B型と発覚
「こ、こいつ…先の行動が読めねぇ(汗)」だそうです
血液ゲノムとか信用すんな。
血液型占いとか信用すんな。
人を信用すんな