僕はディスクを届けにアニキの学校へ、目的地へと向かう。
足の数は四つ。
つまり、さっきから一人余計なヤツが横に居たりする。
彼女の名前は・・・・・・仮に 春日部 咲(やまだ はなこ) とでもしておこう。
素早いツッコミ(足の甲踏み潰し)のキレ(痛み)が冴え渡るのはご愛嬌。
『仮』としたのは、横に居る相手が精神・記憶の類に干渉する能力者として
この都市で横に並ぶ者が居ない人物だからだ。なので、僕の記憶・精神操作云々その他諸々全てを
どうにでも出来る事になる。
今日はモノレールに乗ろうか・・・・・・・・・それとも駄賃ケチって徒歩にしよ――――モノレールに決定っと
横に居る彼女、学園都市内では『メンタルアウト』とかって言われてたっけか。
なので、蛇に睨まれた蛙もかれこれ二年と半になる。
コワイ・ヤバイ・マチガイナイの三拍子
ゲームに置き換えるとすれば、
難易度EXPERT突入しっぱなしを二年も勤めている僕を誰か褒めていただきたい。
この 春日部(仮) との出会いが一体どういったものだったのか具体的に思い出せ無い時点で、
既に記憶操作をされているのはマチガイナイ
そして更に厄介な事に彼女は色々コキ使ってくる。
街中で出会いがしら当然の如く買い物に付き合わされ、もちろんそのあと荷物持ちをやらされ、
そのまま常盤の男子禁制寮内を堂々と正面突破させられるが・・・・・・・・・そこはさして問題では無い、
彼女の能力で僕の存在は空気か何かの様に皆からの意識が逸らされるから『そこは全く問題では無い』、
本当の恐怖はその後だ。
荷物を降ろし終わると彼女の目線、無言の『帰れコール』
そして、僕の帰り道にトーゼン彼女の能力は付加されていない。
文字通り『自力』で寮内から脱出しなければならない。・・・・・・笑えない、・・・・・・本気で笑えない。
初めての帰り道が行きと違って見えた
トーゼンながら最初に見つかったのは寮監だったのは言わずと知れたこと。
あの時の事は昨日のように鮮明に思い出せる、死ぬかと思った、肉体的に、撲殺的な意味で。
撲殺衝撃映像が人目に付くとアレだと思ったのか、
はたまた侵入経路の聞きだす名目で尋問という名の拷問が目的だったか
僕は首根っこを掴まれ誰もいない狭い監視室へと連れ込まれた事が――――結果的には幸運だった、
そのおかげで未だに五体満足でいられているのだろうと断言できる。
結果的にいうと、寮監の目的は前述したもの全て+α(連行)だったのだが、
監視カメラに映った僕の中央突破具合と、その横にいる人物で全てを理解してくれた事により
その日、そのままアンチスキルに突き出され社会的抹殺を免れる事が出来た。
出来たのだが、
官僚の対処というか・・・・・・言われた言葉はたったの一言。
「他の者には見つかるな」
「・・・・・・・・・へっ?」
その後の度重なる帰り道は寮監以外に見つかれば人生即ゲームオーバーという隠密難度に体力・精神共にヤバイ日々が続いている、
最近慣れてしまっているのが自分自身問題であるのだが。
で、
極めつけが、彼女の命令から逃れる術は無く、おまけに彼女に会った時だけ『この記憶』が蘇るという
仕様になっていたりする。・・・・・・ナニコレ、コワイ。
あっそうそう、ちなみに僕の名前は 十儀 一 (みつるぎ はじめ) どこにでもいる高校生だ。
第七学区にある偏差値の低い学校に通っている二年生、そのことからお察しのとおり僕は能力者として堂々のレベル0だ!!
能力的に、いったい何に傾向しているのかさえ判然としない有様だ。
能力が無いということに不満を持ったことも無い、この塀の外ではそれが当たり前なんだし、それにそんなものが無くても――――
はぁ・・・・・・
まぁ、そんなわけで恒例となった『この頭の中でのナレーション』も結構長い、
なんでこんな馬鹿みたいな一人芝居を熱心に頭の中でやっているかだって?
横に居る人間の能力のおかげで僕が自主的に何も考えない様にしている涙ぐましい努力を笑うのかい?
・・・・・・まぁ、それもいいだろう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウソですッッ!!誰か変わってくれ!!あっそうだ素数でも数えて暇を持て余すのも――――イヤイヤ!それより昨日見たアニメでやっていた印の結び方でも練習してみ――――っとみ・せ・か・け・て中二な台詞を開発するとか、我は全なり我は無なりみたいな・・・まったくパンチが弱いなぁ、それじゃあ――――
モノレールに乗り込む二人の様子を他の者が見たとして、何も不自然はなかった。
――――――――表向きには。
>食蜂操祈
公式で名前と容姿、性格の傾向まで出たんですね。
むしろ余計に好都合
ふぅ・・・容姿まで書かなくてよかった。
|・ω・`)つ 食蜂操祈
|彡サッ
wikiで人物漁ってたらメンタルアウトなるものを発見。
未だに原作のほうで名前のみ語られている人物だったので
都合よく拝借させていただきました。
名前をどうするか決めあぐねている時に見つけたものだから
こちらとしてはかなり都合がよかったです。
のちのち原作のほうで出てきたらどうしよう(汗
でも、一巻のプロローグで上条が口走った予知能力者ってまだ
出てないよね?たぶん、・・・・・・(汗
よし、ダイジョブだ、問題ない。
勝手にやらせて頂きマンモース(←新谷真弓調で)